クリスマスネタ(拍手お礼)

クリスマスは、絶対にかすがと過ごすって心に決めていた。
だから有給も一ヶ月前から取ったし、パーティーしようぜなんていう野暮な誘いも全部断った。

かすがとイルミネーションに彩られた街を歩いてちょっと豪華なものなんか食べてクリスマスケーキを買ってきて
それを二人で食べながらプレゼント交換するの。
そしてそのあとは…ねぇ?
恐らく4分の3は無理かもしれないけど、最悪二人で一緒に出掛けたい。
二人でクリスマスを過ごしたって言う紛れもない事実が重要なんだよね。

「クリスマス、どうすんの?」

頭の中で何回も繰り返し唱えてきた、まるで呪文のようなセリフをいよいよかすがに投げかけた。
こたつに入っているかすがをなるべく見ないように。
自然に、自然に。
「…クリスマスは教会に行くんだ」
かすがはテレビを見つめながら、そっけなく言った。
きょ、教会?
「かすがって、無神論者じゃなかった?」
「キリスト教じゃなくたって教会には入れるんだぞ」
「いや、それは知ってるけどさ」
今までシミュレートした回答の中では一番予期しなかったパターンだ。
「一人で行くの?」
「ああ」
俺様は、なんとしてもかすがと二人きりでクリスマスを過ごさなければならない。
「…じゃあ俺様も行く」
「…なんだ、懺悔したいことでもあるのか」
かすがと過ごすクリスマスのためなら、たとえ火の中教会の中。
ついでにその後うまくいくように神様にお祈りしなくっちゃ。
「困ったときの神頼みってね」
かすがは顔をしかめるとお前はいつも動機が不純だからな、と吐いて捨てると罰が当たるぞと忠告した。
「はっはーーまっさかー!」
うまくいくに決まってるじゃんねぇ!
俺様は上機嫌で軽やかにこたつから立ち上がると、テーブルに膝をしたたか打ち付けた。

「いっ、いってぇええーーーーー…!!」
「…ほらな」

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