楽しい社内恋愛~部下編~

最近社内で、新規顧客獲得やら俺様には訳の分からない動きがあるせいで何かとバタバタと忙しい。
今日も今日とて終業時間はとっくに過ぎて、俺様自慢の美人上司もさすがにお疲れのようだ。
「猿飛!昨日私が言った書類はどうした!?」
大きな目をさらに見開いてすごい剣幕で捲し立てる。
折角二人きりなのに何とも色気のない。
あー、はいはい出来てますよと答えれば、さっさとよこせと罵声が飛んで来た。
「そんなに根詰めて、大丈夫なんすか?…顔色あんまり良くないし」
「大丈夫だ。お前に心配される筋合いはない」
相変わらず冷たいお言葉を苦笑して噛み締めながら、出来ていた書類を上司に渡す。
彼女はそれをぱらぱらと捲ってふうと安堵の溜め息を漏らした。
「今日終わったら飲みに行きましょうよ、俺様のおごりで」
「断る」
「ちょっと、せめて考える素振りくらいして―――っと!」
俺様がそう言い終わらないうちに、上司は突然フラリと前につんのめった。
すかさず俺様は腕を伸ばして彼女を抱きかかえる。
貧血か何かだろうか。彼女は顔を歪め、こめかみのあたりを押さえる。
「だから言ったでしょーが、無茶しなさんなって…!」
「すまん、めまいが…悪いが少しだけ休ませてくれ」
「…俺様の胸か仮眠室で添い寝か、どっちがいいですか?むしろ全裸でこの状況だったら最高なんですけど」
「佐助」
「はいはい」
「さっさと仮眠室へ運べ」
「え、全裸コース!?」
「さっさとしないと次は法廷で会うことになるぞ」
「…すみませんでした」

正直かなり興奮した。

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